7/31の傍観車
ホンダのクルマ、昨年のN-WGNあたりからデザインの傾向が変わってきたように思います。
それまでは、スポーティー一辺倒といった感じで、ファミリーカーからミニバンまで、スポーツカーのようなアグレッシブなスタイリングを採用していました。それが、このクルマでは、簡素ながら質感の高い生活の道具といった志向を顕にしているのです。
この流れは、昨日取り上げた現行フィットに引き継がれ、その極みがホンダeということになるんでしょうか。
ホンダのクルマ、昨年のN-WGNあたりからデザインの傾向が変わってきたように思います。
それまでは、スポーティー一辺倒といった感じで、ファミリーカーからミニバンまで、スポーツカーのようなアグレッシブなスタイリングを採用していました。それが、このクルマでは、簡素ながら質感の高い生活の道具といった志向を顕にしているのです。
この流れは、昨日取り上げた現行フィットに引き継がれ、その極みがホンダeということになるんでしょうか。
白い現行4代目ホンダ・フィットを見かけました。
先代の鋭角的でアグレッシブなフォルムから一転、穏やかなデザインは、初代にも通じるところがあるように感じます。
メーカーでは「柴犬をイメージしてください」なんて言っていますが、なるほどそんな印象もあると思います。
双子車と言えば、過去にも数多くのものが存在していました。
ただ、その多くが、同じメーカー内のディーラー別に仕立てられたもので、今のOEM的発想とは明らかに違います。
カローラとスプリンター、セドリックとグロリアなどなど…懐かしいですね。
白いトヨタ・ライズを見かけました。
ダイハツ・ロッキーと双子車でありながら、実際の販売台数では圧倒的に多いこのクルマ。トヨタの営業力のすごさを実感させられます。
ミニRAV4というような風貌も、トヨタの要請によりダイハツの方でデザインされたと聞きますから、こちらの実力も大したものだと思いますね。
ユーノス(マツダ)・ロードスターのような「素のクルマ」。
これからの世の中では、どのようになってしまうんでしょうか。
人間が機械(クルマ)を操り(ドライブ)、自由自在に移動する喜び。
失いたくないと考えるのは、私だけではないと思います。
ユーノス・ロードスターはプリミティブさを味わうクルマと言えます。
今流行のAEBなんか、もちろん付いていませんし、ABSやエアバッグすらありませんでした。(後に装備されました)
自動運転の実用化に向けて突き進む今の日本では、忘れがちになりますが、ドライブフィールという言葉の重みを再認識させられます。
赤い初代ユーノス・ロードスターを見かけました。
このクルマが登場してから、もう31年になるんですね。1989年と言えば、日本はバブル真っ只中、マツダもディーラーの多チャンネル化に邁進する中、その一番手としてユーノス店からデビューしたのがこのクルマです。
ニッチ狙いの最たるものと言えるオープンライトウェイトスポーツというカテゴリーは、この時代だったからこそ実現したものと言えるでしょう。
AEBなどの最新装備。そのいずれもが電気を使用したものです。
それだけに、供給源であるバッテリーの重要度が増しているのは言うまでもありません。
ただ、最近は、アイドリングストップなど過酷な使用状況を強いる装備も通常化しており、更に優れたバッテリーの開発が期待されています。
数々の新装備をまとう最新のクルマ…ここ数年の変化は、まさに日進月歩という感じですよね。
今後は、新車でAEB(衝突被害軽減ブレーキ)が義務化されるなど、クルマを取り巻く環境も変化していきそうです。
数々の新装備で話題になったN-WGNですが、やはり先導的役割を果たしたのは全車速追従型アダプティブ・クルーズコントロールでしょう。
また、これに伴い装備された電動パーキングブレーキもライバルメーカーに影響を与えました。
これからは、軽でもこのボタン式のパーキングブレーキが当たり前の装備となっていくに違いありません。
ガンメタリックの現行2代目ホンダN-WGNカスタムを見かけました。
最新のホンダセンシング搭載など、安全性や装備の話題が先行している感がありますが、デザイン面でも大きな変化がありましたよね。
かつてのステップバンを彷彿させるボクシーなスタイルは、好みが分かれるところですが、ミニバンに慣れた世代には抵抗感なく受け入れられそうです。
DSというブランド。
シトロエンから別れ、会社設立から早6年が経ちましたが、古くからのシトロエンフリークには、いまだに違和感がありますよね。
やはりDSといえば、1955年のパリ・オートサロンに彗星の如く登場し、「異次元の自動車」「まるで宇宙船のよう」と称された「あのDS」以外無い訳で、それは、まさにシトロエンの代名詞でもあったわけです。
確かに今のDSシリーズも、アヴァンギャルドなデザインでは、他の追従を許さぬものがあると思いますが、そこにシトロエンの名がないのは寂しいですよね。
黒いDS3クロスバックを見かけました。
どこから見ても高級車然とした佇まいで、かつてのシトロエンのイメージとは明らかに違うものですね。
でも、シトロエンのエンブレムがどこにも見当たらないDSに寂しさを感じるのは私だけではないと思います。
わが愛車キャストアクティバは、小さなSUV高級車を目指した節もあることから、個人的にはツボにはまっていますね。
ただ、よりSUV色を出したタフトに道を譲る形となり残念ながら廃番となってしまいました。
こちらは、最新装備満載であり、ニーズという面でも優位であることは間違いありませんね。
小さな高級車と言って、一番、私の記憶に残っているのが、初代ルノー・ルーテシア(クリオ)・バカラです。
1990年代初め、日本では、まだ、レザー内装のコンパクトカーは珍しく、しかもそれがお洒落なフランス車であったことから、私に鮮烈な印象を与えたものと思われます。
トノカバー裏には、内装と同じ革製の衣装ケースがついていたこともよく覚えています。
個人的に「小さな高級車」というのが昔から好きなんですが、最近は、SUVの台頭などもあり、プレミアムよりタフネス&ヘビーデューティーの方に志向が傾いているように感じます。
ただ英国には、レインジローバーというプレミアムSUVの傑作があるように、この二つは両立可能であると思います。
トヨタ・エスクァイアを見ていると、日本人の考える「プレミアム」がよく表されているなと感じます。
昨日も書いたように好みはあると思いますが、限られた小型車枠の中で、多くのユーザーが豊かさを享受できる空間を作り上げたトヨタのデザイナーの努力は評価したいと思います。
黒いトヨタ・エスクァイアを見かけました。
ノア、ヴォクシーのプレミアムバージョンとして2014年に登場したこのクルマ。数度のマイナーチェンジを経て、現行モデルでは、衝突軽減ブレーキなどの各種最新アイテムを備え、名実ともに5ナンバーミニバンの最高峰として君臨しています。
お決まりの「オラオラ顔」など、好みは分かれると思いますが、まさに「安定のトヨタ」を象徴するクルマだと思いますね。
軽量プラットフォームやラダーフレームとモノコックボディーの良いとこ取りを実現したビルトインフレームなど、最新技術を駆使して作られる今のSUV。
かつての、タフでも鈍重なイメージとは一線を画す、まるでスポーツカーのような機動性に優れたモデルも多くみられるようになってきましたよね。
ゆくゆくは、スポーツカーまでSUV化する時代が来るような予感がします。
万能に見えるSUV。唯一のウィークポイントが重量増です。
以前、RV・クロカンブームの頃は、頑丈なラダーフレームに上屋を乗せたランクルやパジェロなどが一世を風靡しましたが、今時、あの重さでは環境負荷が大きすぎます。
各社、大幅な軽量化を果たした新プラットフォームを続々投入しているのには、そんな背景があるのかもしれません。
今年は、トヨタ・ヴィッツあらためヤリスとホンダ・フィットが共に4代目へとモデルチェンジしましたが、Bセグメント(コンパクトカークラス)の標準車型の攻防が熾烈になっています。
結果から言えば、今後はSUVがスタンダードになっていくんだと思いますね。何故なら、一般ユーザーにとっても使い勝手が良いからです。荷物も人も気兼ねなく収納でき、多少雑に扱っても耐えられるタフネスさも持っている。おまけに車高が高く、運転席からの見晴らしも良いため初心者でも運転しやすい利点もあります。
この流れは止まらないでしょう。
FF(2WD)なら、より気軽にSUVを楽しむことができますよね。
私のような街乗り専門、なんちゃってSUVユーザーならいいんですが、不意の積雪にもしっかり備えたいという向きの強い味方になるのが、今話題になっているオールシーズンタイヤです。
アイスバーンこそ走れませんが、ちょっとした雪ならスノータイヤとして機能し、一年中履き替える必要がないトータルバランスに優れた万能タイヤといえます。
最新のものが各タイヤメーカーから続々とリリースされているので、試してみるのもいいかなと思います。
FFのSUV…これってアリなんでしょうか?
結果から言ってしまえば、十分にアリということになります。
最新の自動車は、2WDでも、トラクションコントロールをはじめとする電子デバイスが標準的に採用されており、雪道走行などでも、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを履いてしまえば、十分こなしてしまう実力を持っているのです。
ただ、勾配率の高い坂道だけはAWDでないと太刀打ちできないという現実もあります。
通常のハッチバックモデルをSUVにしてしまったシトロエン。これからの標準車型はSUVなのだと宣言したに等しいと思います。
ところで同社には、エアクロスというモデルもあり、これはさらにSUV色が濃いものとなっていますよね。
ただ、それでもFF(2WD)というところが、いかにもこのメーカーらしいところです。
薄いグリーンと白のツートーンカラーの現行3代目シトロエンC3を見かけました。
思い切ってSUVライクなデザインに舵を切った現行モデルのデビューは2016年で、改めてこのメーカーの先進性を実感させられますよね。
また、ツートーンのカラーリングも大胆かつ独創的で、フレンチアヴァンギャルドの面目躍如といったところでしょうか。
あらゆるクルマがSUV化しつつある昨今。今年初めに登場した現行4代目ホンダ・フィットにもクロスターというSUVバージョンが存在していますよね。
都会的でファッショナブルな内外装デザインは斬新で、個人的にもお気に入りのクルマです。
軽自動車が今、これだけもてはやされる理由。
ひとつは、クオリティーが上がって、これで十分という性能を有するに至ったということだと思いますが、私が指摘したいのは、従来、日本車の基準となっていた小型車枠(5ナンバー枠)がメーカーの国際化に伴い空洞化してしまったということです。
そんな中、昨年末、コンパクトサイズのダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズというSUVの新星がデビューし、ヒットしている事実があります。今までSUVといえば、人気のRAV4を含め、どのクルマも大柄な3ナンバーサイズが当たり前だったんですが、多くのユーザーは、実際のところ、「もうちょっと取り回しのしやすい方が良いな」とか、「狭い駐車場に入れたいな」などと思っていたようです。
また、アウトドアを含め、タフなニーズにも応えるSUVが、今後、コンパクトカーに取って代わる存在になる予感もありますね。
国産車のメインストリーム。
以前なら疑いようもなく、カローラとサニー、ヴィッツとフィットなどのコンパクトな登録車が挙げられたのですが、現在は、軽自動車、なかでもスーパーハイトワゴンがこれに取って代わったと言ってもいいんじゃないでしょうか。
いまだに軽自動車に対して拒否反応を示すユーザーがいる一方、一度使ってみて、その便利さに驚き、軽ユーザーとなった人も多いと思います。
フィットを取り上げたら、トヨタ・ヤリス(旧ヴィッツ)を取り上げないわけにはいきませんよね。
こちらも今年4代目へと進化し、名をヴィッツから国際名であるヤリスに改めて新たなる挑戦を開始しました。
デザインでいえば、フィットとは真逆で、従来よりアグレッシブな意匠をまとい、ファミリーユースからスポーツユースに大きくターゲットを変えてきたと言えます。
それにしても、同じコンパクトカーのカテゴリーに、これだけ個性の違う両車が存在することの意義は大きいと思います。
フィットの挑戦。その影に、今や国民車になったといっても過言ではない同社のN-BOXの存在があったことに疑いようはありません。
ディーラーの営業マンに聞いても、今、実際に売れるのは利益率の低いN-BOXばかりだといいますから、ホンダの苦悩は理解できます。
登録車ならではの、「色々な面での余裕」を最大限にアピールすることで、フィットの存在意義は確固たるものになるのだと思いますね。
フィットと言えば、今年4代目へと進化し、新たな次元に踏み込んだといえるでしょう。
グレードというよりバリエーションといったほうが良い車種展開と、今までのアグレッシブ、オラオラ系意匠から、エフォートレスな生活に根差したデザインへと大きく舵を切りました。
個人的には、大いに賛同するところですが、世の評価が定まるには、まだ時間がかかりそうですね。
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