8/31の傍観車
先日もちょっと触れましたが、個人的に、品格の高さを強く感じさせるのが、ロールス・ロイスのクルマです。
民族資本下の時代はもとより、BMWが手掛けるようになってからも、この印象は変わらず、というよりも、より鮮明になっていると思います。
特に、現行ファントムⅧは、高い品格を超えて「荘厳」という言葉がピッタリの佇まいに感心させられます。
先日もちょっと触れましたが、個人的に、品格の高さを強く感じさせるのが、ロールス・ロイスのクルマです。
民族資本下の時代はもとより、BMWが手掛けるようになってからも、この印象は変わらず、というよりも、より鮮明になっていると思います。
特に、現行ファントムⅧは、高い品格を超えて「荘厳」という言葉がピッタリの佇まいに感心させられます。
デザインで品格を表現する。言葉でいうのは簡単ですが、実践するのは大変難しいことです。
歴史の裏付けがあってこそ、真の品格というのは備わるものであって、デザイン如きで一朝一夕に表現出来るものではないという意見もあります。
それでも、あえて、そこに踏み込んでいくのも、デザイナー・スタイリストの仕事なのです。
高級ミニバンの世界。
近年では、企業のVIP、芸能人などの「御用達」としての地位を確立した感がありますが、そのデザインに関しては、まだまだ工夫の余地があると思いますね。
昨日取り上げたグランエースやアルファードにしても、押し出しの強さや威圧感という点では、充分かと思われますが、VIPやセレブの真の品格を表現できているかと問われれば、正直、ノーじゃないでしょうか。
個人的には、BMW傘下になってからのロールス・ロイスのデザインなどには、そんな品格を感じるんですが…
黒いトヨタ・グランエースを見かけました。
世界最高峰のミニバンを標榜するこのクルマ、前評判の高さから注目していたんですが、実車を見た印象は、「意外と地味だな」というものですね。
デザインの先進性や華やかさという点では、アルファードの方が上のような気がします。また、荘厳さ・気品のようなものも、正直不足しているように思います。
ジープ・レネゲードとフィアット・500X、どちらも魅力的ですが、個人的にはレネゲードの方により惹かれますね。
理由としては、チンクエチェントの方は、バリエーションとしての類型的デザインの域を出ていないのですが、レネゲードは、同社のどのラインナップにも似ていない独自性を持っているからです。
レネゲードの姉妹車であるのがFIAT 500Xです。
よくもこれだけイメージを変えられたものだなと思うほど、両車は似ても似つかないデザインをしています。
しかも、それぞれのメーカーアイデンティティーをしっかり表現できているのも見事すぎます(^o^)
ショッピングモールの駐車場で、隣に濃いグレーメタリックのジープ・レネゲードが停まっていました。
ジープの中では、コンパクトなクラスのモデルですが、わが愛車キャストアクティバと比べると、大人と子供くらいの差がありますね。
それにしても、武骨な本格SUVの雄であるジープブランドのモデルにして、あのおしゃれなデザインは卑怯ですよ…
昨日の2代目三菱パジェロ。今日のSUVブームにあっても、本物の存在感を感じさせますね。
さすが、バブル時代に丹念に作りこまれたモデルだけのことはあります。
それにしても、数々の不祥事さえなければ、ジープ・ラングラーのような地位を築けたに違いなく、残念な限りです。
紺とシルバーのツートーンカラーの2代目三菱パジェロを見かけました。
このクルマ、1990年代、一大RVブームを築いた立役者ですよね。
タフな造りのボディーは、20年位の使用ではビクともせず、私が見かけた個体も良好なコンディションを維持しているようでした。
現行シトロエンC3、もう一つの特徴がそのフォルムです。
形式上は、Bセグメントのコンパクトハッチバックということなんですが、その見た目は、誰が見てもSUVです。ちなみにC3にはエアクロスSUVというモデルもあり、こちらが本当のSUVということになっています。
このように、今後のライフスタイルは、ヘヴィーデューティーがキーワードになると踏んだシトロエンは、標準ボディーを思い切ってSUVスタイルにシフトしました。(ちなみに、これはDSブランドも同様です)
その「見切りの良さ」が、また合理的なフランスらしいと思うのです。
赤いルーフに白いボディー、黒いモールの現行4代目シトロエンC3を見かけました。
見る度に思うんですが、本当にフランスのメーカーが作るクルマは、オシャレを分かっているなということです。ツートーンにしても、普通ならルーフは黒にするところですが、あえてここに赤を持ってくるあたり、流石だなと思わせます。
ちなみに、C3の場合、他のカラーバリエーションも、「一捻り」が効いたものばかりで思わず唸ってしまいます。
FCVというとトヨタ・ミライ以外あまり思い浮かばないんですが、ホンダからも2016年にはクラリティ・フューエルセルというモデルが市販化されていますよね。
私も1,2回ほど見かけたことがありますが、ミライに比べると圧倒的に少数派です。
インフラの問題、水素タンクへ充填する際の問題などで、依然として将来性が見通せない状態にあると言われているFCV。ここが正念場なのかもしれません。
次代のミライ、そのスタイリングは現行のものよりだいぶ落ち着いたものになるようです。
初代は世の中に認知してもらうためと、初物の魅力で購入してもらうために、多少アクが強くてもいいとトヨタが判断した結果、あのようなデザインで登場し、結果はほぼ成功と言ってよいかと思います。
2代目は、スポーティーセダンの本流をつく真っ当なスタイリングとなるようですが、受け入れられるかどうか見ものですよね。
濃紺のトヨタ・ミライを見かけました。
世界初の量産型燃料電池車(FCV)として2014年に登場してから早6年が経ちましたが、すっかりトップランナーとしての地位を築いたといえます。
ところで、まもなく次のモデルがリリースされるとアナウンスされていますが、よりスポーティーに実用的にと進化しているようで、期待が持てますよね。
アンダーステイトメント(控え目)というキーワード。
以前なら、「凡庸」などと解釈され、つまらないもの、取るに足らないものと、かたずけられていたところがあったと思います。
それが、近年、変容の激しい時代に突入し、過度な刺激から逃れるという意味でも、支持を広げ始めているのではないでしょうか?
気が付けば、ここ1,2年前からリリースされているクルマに、そんな匂いを感じさせるものが増えてきていると感じる今日この頃です。
アウディのフォルム。流行り廃りの激しいカーデザインの中にあって、常に「ブレない」スタイリングを貫いていますよね。
その「変わり映えの無さ」故に、個人的には敬遠し続けてきたんですが、最近ふと良いなと思うことがあります。
私も、アンダーステイトメントの良さに共感できる年代に入ったということでしょうか。
白いアウディQ2を見かけました。
一瞬、ダイハツ・ロッキーかなと思ったんですが、考えてみれば、こちらは2016年デビューですから、ロッキーの方が後追いということになります。
以前からスポーティーを標榜しながら、過度なアグレッシブデザインに陥ることなく、端正なフォルムを維持し続けるアウディの面目躍如といえるスタイリングだと思いますね。
アルファードのアグレッシブデザインは、瞬く間に軽ミニバンをはじめとする、あらゆるカスタム系のクルマに取り入れられていきましたよね。
同時期に問題となった、あおり運転に、このクルマが関連していたこともあり、「オラオラ顔」などというネガティブな言葉も生み出してしまいましたが…
白い現行3代目トヨタ・アルファードを見かけました。
アグレッシブデザインを代表するこのクルマ、ミニバン最大のヒットモデルでもあります。
もともと大柄で鈍重なミニバンを「ナメられないように」武装し、威嚇するようなフロントマスクを与えたところ、ユーザーに大うけ。現在の地位を築いたのです。
穏やかなデザインを推進するホンダと対照的なのがトヨタです。
ヤリス、カローラをはじめとして、従来、ファミリーカーとしての認識だったモデルを、次々とスポーツライクなコンセプトに変更してきています。
「アヴァンギャルド」の次は「アグレッシブ」だと言わんばかりのこの動きに、個人的には若干の不安を覚えてしまうんですがね…
先代3代目ホンダ・フィットを見かけました。
エッジが立った楔形のフォルムは、アグレッシブデザインの典型と言えますね。
ただ、近年、当のホンダを中心に、エフォートレスなデザインを模索する動きが活発となり、これらが過去のものとなる日も近いのかもしれません。
時代を先取りしたが故に、発売当時まったく売れなかったクルマ達。
そんなクルマがたまらなく好きな私は、相当なへそ曲がり・天邪鬼なのかもしれませんね。
でも、時代がそのクルマに追いついた時、あらためてその存在の偉大さに心躍らせてしまうんですよね。
ホンダというメーカーは、チャレンジング精神に溢れているのか、昨日まで書いてきたような、時代を先取りしたクルマを多数世に送り出していますよ。
その反面、発売当時は全く売れず、泣く泣く販売中止に追い込まれることも多かったように思います。
エレメントや2代目Zなどもそんなクルマでしたね。
クロスロードの事を書いていて思い出したのが、同じホンダのHR-Vです。
こちらは、クロスロードより早い1998~2006年に販売されていた小型SUVですが、これこそまさに今日のクロスオーバーの走りと言えるモデルで、今あっても全く不思議でないクルマだと思います。
ただ、同じく登場が早すぎた感は否めず、国内では不人気だったということです。
シルバーの2代目ホンダ・クロスロードを見かけました。
2007~2010年のたった4年だけ販売されていたストリームベースのクロスオーバーSUVですよね。
このクルマ、登場が早すぎた感があり、今あっても不思議でないコンセプトとスタイリングをしています。
それもあってか、中古車市場では、ちょっとした人気となっているらしく、高値で取引されているということです。
日本人が、生活の道具として、日常、街中で使うだけのクルマなら、卓越した操縦安定性よりも、見た目やさわり心地の良いインテリアなど、「ショールームアピール」に優れたものを選ぶのも悪くはないと思います。
そして、国内専用に作られる軽自動車がこれだけ売れている理由が、まさにここにあるわけです。
昨日のN-BOXが、これだけのヒットとなった一つの理由。それは、見た目のクオリティー感の高さに他なりません。
これは、「ショールームアピール」とかいうそうで、最近のクルマに欠かせない要素として、各社、重要視しているということです。
近頃は、クルマを購入する際、カタログを隅から隅まで読みまくった上で、何度も試乗して…などというユーザーは皆無に等しいらしく、大抵は、家族でショールームに現れ、展示車をあれこれ触ってみて、その場で奥さんが決定するというパターンが多いと言いますから、わかる気もします。
黒い現行2代目ホンダ・N-BOXカスタムを見かけました。
今や、言わずと知れたベストセラーカーですが、これだけ街にあふれかえっていると、見かけても全く印象に残りませんね。
ただ、見るからに造りの良さそうなボディー等々、最新の登録車を含めた新車の中にあっても、まったく見劣りしないのはさすがだと思いました。
フィットの事を書いたなら、触れないわけにいかないのが、同時期に4代目へとフルモデルチェンジしたヴィッツあらためヤリスです。
こちらは、かつてのホンダを彷彿させる徹底したスポーツテイストのクルマへと変貌しました。操縦安定性も動力性能も異次元の進化を遂げ、前席優先のクーペライクなスタイリングも、今までの、おとなしいコンパクトカーという印象とは真逆のものです。
それにしても現行のフィットとヤリスを見ていると、ホンダとトヨタが入れ替わってしまったんではという錯覚を覚えてしまいます。
「柴犬顔」の現行フィット、新たな売れ筋となっているのが、クロスターと呼ばれるSUVテイストのモデルです。
まさに時流に乗っかったものですが、さすがホンダのデザイナー、フィットらしいこなれたスタイリングを纏わせることに成功していると思います。
都会派のオシャレなSUVとして女性からの支持も得ていると言いますから、これはホンモノですね。
ホンダの新しいデザインテイスト、個人的には大歓迎ですね。
それまでのアグレッシブデザインが、異常なまでに過熱し、「オラオラ顔」の氾濫を生んだことを思えば、言葉が悪いですが、「地獄に仏」の心境です。
願わくば、あおり運転などの、独りよがりで殺伐としたクルマ社会の改善にもつながってほしいと思いますね。
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