12/31大晦日の傍観車
つれづれなるままに続けてきたこのヨシキ・ログ、とうとう17年目の年の暮を迎えました。
その間、昨日までの常識が一変し、全く新しい日常が訪れるという経験も何度かしてきました。だからこそ、クルマと共にある、ごく普通の日常をいとおしく思い、大切にしていこうと思うのかもしれません。
今年一年も、このヨシキ・ログをご愛顧いただき、誠に有難うございました。来る年が、皆様・私達にとって幸多きことをお祈りいたします。
つれづれなるままに続けてきたこのヨシキ・ログ、とうとう17年目の年の暮を迎えました。
その間、昨日までの常識が一変し、全く新しい日常が訪れるという経験も何度かしてきました。だからこそ、クルマと共にある、ごく普通の日常をいとおしく思い、大切にしていこうと思うのかもしれません。
今年一年も、このヨシキ・ログをご愛顧いただき、誠に有難うございました。来る年が、皆様・私達にとって幸多きことをお祈りいたします。
クルマを楽しむことに長けたイタリア人が生み出した彼の国の自動車。
私が思う共通点は、コーナリングをきびきびとこなす足腰(サスペンション)にあると思うのですが、どうでしょう?
重厚なゲルマン車、しなやかなフランス車に対して、「バネが効いた」感じでメリハリのある挙動は、これまた独自の魅力があると思うのです。
イタリアの高級車…、フィアット以外は全部というような印象がありますよね。
昨日も採り上げたマセラティ、フェラーリ、アルファ、ランチア…
ただ、そのどれもがスポーティーなイメージを持っているというのが、他国のクルマとは違うところではないでしょうか。
白い5代目マセラティ・クアトロポルテを見かけました。
抑揚のあるコークボトルのようなスタイリングは、この代から採用されたもので、6代目でも継承されています。
その妖艶なイメージは、このメーカーに似つかわしいものだと思いましたね。
私が大好きだったビートル。ニュービートル、ザ・ビートルとつながっていた80年にわたる伝統が2019年に途絶えてしまったのは、やはり残念ですね。
EVでの復活を願っていることは、以前のこの傍観車にも書きましたが、それは、とりもなおさず「あのスタイリング」あってこそだというのは、あえてここで書くまでもありません。
私のカーデザイン原体験として存在するのは、昨日も書いたフォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)です。
言わずと知れた、ナチスドイツの「国民車構想」の下、フェルディナンド・ポルシェによって企画されたクルマですよね。
それでも、ナチスのクルマという印象が薄いのは、このクルマが国民の下に通常デリバリーされたのが戦後になってからというのが理由ではないでしょうか。
いずれにせよ、丸くてシンプルでエスプリを感じさせるデザインは、今に至るまで、唯一無二のものだと思います。
私のクルマにおける「好み」を考えてみると、昔から、「丸い形」と「上品でシンプル」がキーワードになっていたような気がします。
特に、スポーツカーなどに惹かれたという記憶はなく、子供の頃から、オリジナル・ビートルだったり、シトロエン2CV、同DSなどに心酔していましたね。
「さりげなさ」が魅力のクルマ…
輸入車では、プジョーなんかが良い例じゃないでしょうか。
昔から質実剛健が売りで、フランスの農民層などから絶大な支持を得ていたというメーカーですよね。
定評のディーゼルエンジンは、時節柄控え目な展開ですが、それに代わり、EVを通常ラインナップに加えるなど、しっかり時代を見据えているところにも好感が持てます。
エフォートレスという言葉をさきがけて使用したのが、ダイハツ・ミラトコットです。
2018年発売のこのクルマ、女性チームによって企画されたものの、それまでのいわゆる「女性仕様」のクルマとは一線を画す、エスプリの効いた生活車といった趣の、実に良いクルマだったと思います。
ここで、あえて「だった」と書いた理由は、これがお世辞にもヒットしたとは言えない販売状況のためなんですよね。
まあ、「通好み」なクルマは、私の趣味なんですが…
エフォートレスなホンダデザインといえば、2年前にモデルチェンジした現行2代目N-WGNを挙げないわけにはいきません。
初代のスポーティー路線から180度転換したそのスタイリングは、発表当初、賛否両論あるんではないかと思ったところ、実際は圧倒的に支持するユーザーが多かったことに、時代の移り変わりを感じたものです。
ただ、その存在感もまたエフォートレス(肩の力が抜けた)なため、結構街中で見かけても印象に残らないのが玉にきずだったりしますね。
サンドカラーの現行2代目ホンダ・ヴェゼルを見かけました。
ヒットした初代は、結局、8年にわたり生産されましたが、この2代目はどうなるんでしょうか?
エフォートレスを強く意識させるスタイリングで、「都会的なホンダ」が帰ってきたようです。
個人的には、メッキレスのラジエーターグリルの意匠が好きですね。
1966年、日産に吸収合併されたプリンス自動車。
その直前、R380というレーシングカーを発表し、富士スピードウェイの日本グランプリでポルシェと名勝負を繰り広げたのは有名な話で、このような「血筋」は、日産に引き継がれ、後に数々の名車を生み出しました。
また、現在、他メーカーに先駆けて推進しているEVの「リーフ」や「ノート」におけるシリーズ式ハイブリッド(e-POWER)の技術などは、「たま号」の存在なくして有り得なかったのではないでしょうか。
昨日のプリンス・グロリアを生み出したプリンス自動車という会社は、もともと立川飛行機にいたエンジニア達が立ち上げた「東京電気自動車」が後に改名したものだそうです。
その名の通り、最初は「たま号」という電気自動車を製造し、その高性能ぶりには定評があったということですが、バッテリーのコスト上昇などによって時代にそぐわなくなり、ガソリン自動車製造へ舵を切ったという歴史を持ちます。
プリンス自動車時代には、先の「グロリア」と「スカイライン」という二大名車を世に送り出しましたが、これは、日産との合併後も継続し人気を博したことは周知のところです。
グレーの2代目プリンス・グロリアを見かけました。
あまりに自然なヤレ方で、運転していたのも、かなり高齢の男性だったので、ひょっとしたら新車で購入後、ずっと今まで乗り続けていたのかもしれません。
それにしても60年近く前のクルマ、普通に走っているだけでも奇跡と言えるんではないでしょうか?
自分が今、かつて乗っていたクルマで、再び所有してみたいと思うのは、先日も採り上げたシトロエンBXとメルセデスEクラス・ステーションワゴンですね。
BXは、ガンディーニによる時代を象徴するスタイリングと、シトロエン独自の機構に尽きると思いますし、W124は、創業以来続く「最善か無」を真の意味で体現した完璧な工業製品としての魅力と言えるでしょう。
現実的には、懐に余裕がないので無理なんですが、ふと考えたりするんですよね。
最近の旧車ブーム。時代が進む中で、最後のブームになるんではないかと言われていますよね。
というのも、自動車に用いるガソリンや灯油などの化石燃料を用いた内燃機関が終焉を迎え、モーターを動力とするEVやFCVなどに切り替わるといわれて久しいからです。
となれば、乗れるうちに、かつて体験した最上級のファン・トゥ・ドライブを再び、と考えるユーザーが多いのも理解できますよね。
最近また旧車ブームが沸騰していて、特定の車種では、価格高騰が著しいと聞きます。
特に私たちの世代には懐かしい、ランチア・デルタ・インテグラーレ。言わずと知れたWRCマシーンで、ベースはジウジアーロがデザインしたごく普通のコンパクトハッチでしたが、これに数々の装備を加えることで最強のラリーカーに仕立てたというものです。
以前は、そこそこの価格で、若い走り好きなユーザーにも頑張れば手が届くクルマだったんですが、今や新車時を遥かに上回るプレミアム価格で取引されているようですね。
白いシトロエンBXを見かけました。
以前、私も乗っていたことのあるモデルですが、もう30年も前のクルマなんですよね。
最近では、人気ドラマで使用されたりもして、中古車市場で価格が高騰しているなんて話も聞きますが、購入したユーザーは維持管理に四苦八苦しているんではないかと余計な心配をしてしまいます。
最近のクルマに採用されているディスプレー式メーター。
でも、その多くが、昔ながらの針と目盛のメーターをモチーフにしているのが面白いですよね。
もちろん、これは細かい画素による表現が可能なため採用されているんだと思いますが、私たち昭和世代にとっては、7セグメントのデジタル表示に強烈なノスタルジーを感じてしまうんですよね。
かつて目を引いたクルマの装備・意匠。
デジタルメーターなどもそうかもしれません。
ただ、こちらは、最近、フルディスプレー式メーターが急速に普及しだしてきたため、復活したともいえます。
リトラクタブルヘッドライト、最近あまり見かけないですよね。
パッシング時に、いちいちカバーを開け閉めしなければならず、煩わしいなど、機構的にネガティブな要因が多いため、採用が減っているんでしょうが、スラントノーズのクーペなどには、シルエットをスマートに見せることが出来、個人的には悪くない装備だと思います。
アクリルのヘッドライトカバーにLEDガラスディスプレーの技術を応用するなど、何か最新の技術でこの意匠が復活出来ないものでしょうかねぇ…
コンパクトクーペで個人的に印象に残っているのが、初代ホンダCR-Xです。
当時は、「バラードスポーツCR-X」と言っていたと思いますが、FFのコンパクトなボディーで2+2クーペというのが新鮮だった記憶があります。また、セミリトラクタブルヘッドライトも目を引きましたね。
ラグジュアリーなクーペ全盛の時代、高額なソアラまではいかなくても、中堅クラスのものが大変充実していました。
中でも、個人的には、5代目日産シルビアなどが、デザイン的にも好きなクルマでしたね。
レクサス・LCのようなラグジュアリークーペ、今や希少な存在ですよね。
かつては、ソアラやレパード、プレリュード、コスモ等々、枚挙に暇がないほど、この手のクルマが存在し、人気を博していました。
価格的にもそれほど浮世離れした高額なものではなく、クラウンなどが買えるユーザーであれば、手に入れることが出来たのも売れた理由でしょう。
白いレクサス・LCを見かけました。
アヴァンギャルドなのに流麗なフォルム、何度見ても新鮮に感じますね。
登場から早4年を超えましたが、次期モデルのデザインはどうなるのか、今から気になります。
ミニバンを中心に浸透した「オラオラ顔」の国産車たち。
いまだにリセールバリューは高いそうですが、いつまでこの傾向が続くのか不透明ですね。
海外の例を見ると、しっかりアイデンティティーは感じさせながら、上品に見せるデザインを模索しているようにも感じます。
早く日本も、この成熟の域に達して欲しいものですよね、
白い2代目トヨタ・アルファードを見かけました。
鉄仮面のような3代目のフロントマスクに比べると、なんとも慎ましやかに見えるのですが、大柄なボディーのおかげもあり、結構押し出しは強いなと感じましたね。
「オラオラ顔」などと呼ばれて久しいですが、そろそろトレンドが変わっても良さそうなものです。
アクの強い個性的なデザイン、クルマが売れる要素の一つではあるようです。
レクサスも、スピンドルグリルを手に入れてから、世界の高級ブランドの仲間入りをしたといっても過言ではありません。
決め手は、バックミラーに映った時に、思わず道を譲らざるを得ないような威圧感を感じさせるフロントグリルデザインということだそうですが、個人的にはあまり共感できませんね。
レクサスが、オリジナルなデザインを模索した結果生まれたのが、例の「スピンドルグリル」です。
糸を巻く紡錘がモチーフになっているため、トヨタ自動織機との関連もうわさされましたが、これは否定されているようです。
いずれにせよ、他に類を見ない独特な意匠であることは間違いありません。
レクサスブランド成功への道のり、日本人ならではの地道な努力が実を結んだことは間違いありません。
初代LS(和名セルシオ)は、Sクラスのコピーなどと揶揄されたことがあったものの、そのハード面での出来の良さは、本家メルセデスをも慌てさせるほどだったといいます。
瞬く間に、北米では、高級車の定番ブランドとして認知されるようになりましたが、欧州では、なかなか評価が高まらなかったそうです。
それは、ブランド・アイデンティティーの欠如が原因だと分かると、そこからレクサスは、オリジナルなデザインの確立に猛進することとなったのです。
すっかり国内にも浸透した感のあるレクサスブランド。
国内展開を始めた当初は、トヨタとの差別化など、数々の不安点もあったようです。ディーラーでの接客に関しても、しばらくは模索が続いていたように記憶しています。
最初の頃は、肩ひじ張った大仰なおもてなしに、メルセデスへの過剰な意識を感じさせたものですが、今では比較的さらっと対応してくれるディーラーが多く、それが国内定着につながっているのだと思いますね。
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