5/31の傍観車
スイフトの魅力。それは、とりもなおさず、世界戦略車であるという点に尽きるでしょう。
昔は、安価で庶民の味方である軽自動車を作るメーカーというイメージしかなかったスズキですが、早い時期から、インドを皮切りに世界各国に進出し、気が付けば、誰もが認めるグローバル企業となっていたんですね。
そんなこのメーカーが、世界的にもライバルがひしめくコンパクトカークラス(Bセグメント)に送り込んだ力作がこのスイフトなのです。
スイフトの魅力。それは、とりもなおさず、世界戦略車であるという点に尽きるでしょう。
昔は、安価で庶民の味方である軽自動車を作るメーカーというイメージしかなかったスズキですが、早い時期から、インドを皮切りに世界各国に進出し、気が付けば、誰もが認めるグローバル企業となっていたんですね。
そんなこのメーカーが、世界的にもライバルがひしめくコンパクトカークラス(Bセグメント)に送り込んだ力作がこのスイフトなのです。
白い4代目スズキ・スイフトを見かけました。
このクルマ、初代こそ、軽のワイドモデルという位置づけでしたが、2代目からは、バリバリの世界戦略車、インターナショナルなコンパクトカーとして発展してきました。
個人的には、2代目、3代目の流麗なスタイリングが好みなのですが、今回見かけた4代目の、しっかりとした堅牢さが際立つデザインもレベルが高いものだと思いますね。
費用対効果が抜群のモノコックボディーというテクノロジーですが、こちらも進化は続いています。
ラダーフレームをこれにビルトインすることで、クロカン四駆に必要なレベルの強度と耐久性も手に入れることに成功したものも登場し、先に採り上げたパジェロミニなどにも搭載されていました。
現状では叶わぬ夢となってしまいましたが、これらの進化の続きを見たかったですね。
ジムニーやランクルを支える伝統のシステム、ラダーフレーム。
費用対効果の面では、決して効率的とは言えないため、今では圧倒的に少数派となってしまいました。
その代わりに標準となったのが、モノコックボディーです。フレーム(車台)とボディー(上屋)を一体化し、卵の殻のように軽く薄い鉄板で構成されているにもかかわらず強度を十分に確保できるこのシステムは、あっという間に世の中に浸透しました。
しかも、圧倒的に低コストということで、誰もがクルマを所有することが出来る社会の到来に大きく寄与したことも間違いありません。
ラダーフレームという伝統的なシステム。
このシステムを守り続けているもう一つのブランドがトヨタのランドクルーザー(通称ランクル)です。
2年前に登場した300系においても、このシステムは継承されましたが、最新のTNGAに基づき、ありとあらゆる改良が施されています。
ちなみに、こちらの初代のデビューは1951年と、ジムニーを上回る70年越えの長寿ブランドとなっています。
ジムニーをジムニーたらしめる要素が、ラダーフレームとリジッドアクスルサスペンションというシステムです。
今や古色蒼然と言ってもいいテクノロジーですが、信頼性が何より求められるクロカン四駆では、譲れない伝統的なシステムです。
逆に言えば、これを頑なに守っていたからこそ、ジムニーが50年を越えて存在し続けてこられたともいえますよね。
ジムニーの初代が登場したのは、1970年ということで、もう50年以上経っているんですね。
でも、その間のフルモデルチェンジは、わずか3回ということで、各代が10年を超える長寿命モデルだったことも特筆すべき事実です。
それも、ジムニーのシンプルでプリミティブなコンセプトがなせる業と言えるでしょう。
ジムニーの強さは、唯一無二の存在であることにつきますが、かつては、三菱パジェロミニという強力なライバルが存在していたということを以前もこのヨシキ・ログで採り上げましたよね。
ゴリゴリのプリミティブなクロカン四駆であるジムニーに対して、今日のSUV的要素を取り入れながら本格四駆の性能も持ち合わせたパジェロミニと、両車の個性が際立っていたのも特徴でした。
それにしても、実力派のパジェロミニが無くなってしまったことは残念で仕方ありません。
クリーム色の4代目スズキ・ジムニーを見かけました。
発売前後、大変な話題を呼び、大量のバックオーダーを抱えたのが、まだ記憶に新しいところですが、あれから5年近く経ったんですよね。
永遠のアイコン、「The ジムニー」と呼んでも良いようなスタイリングは、当然ながら、今でもまったく古臭さを感じさせません。
やはり、唯一無二というのは強いですよね。
ムーブキャンバスがヒットした最大の理由…それは、やっぱり、あの見た目だったんじゃないでしょうか。
軽自動車の寸法の中で、ワーゲンバスのような意匠を実現できたことこそが勝因だったというわけです。
不利なはずの丸みを帯びたスタイリングも、実際の印象はあくまでも伸びやかで、軽の寸法的なデメリットをほとんど感じさせない絶妙なバランスとなっているところには、ダイハツのデザイン力の高さを痛感させられますよね。
ムーブキャンバスの魅力…それは、今や必須アイテムとまで言われる後席スライドドアを全高1655mmのトールワゴンに装備したということでしょう。
スライドドアは便利で欲しいけれど、1800mm近い全高までは必要としないという特定ユーザーの気持ちに応えたからこそ、これだけヒットしたのだと思います。
ちなみに、いい着眼点だと感心する間もなく、ライバルのスズキからワゴンRスマイルが登場し、一気にこのジャンルが固定化されましたよね。
パールホワイトの2代目ダイハツ・ムーブキャンバス セオリーを見かけました。
これぞまさにというキープコンセプト型のフルモデルチェンジでしたが、結果は吉と出たようで、先代を超える大ヒットとなっていますね。
個人的には、先代の人気を決定づけたツートーンカラーの「ストライプス」推しなんですが、メーカー側では、クルマにこだわりを持つ男性向けに「セオリー」のターボモデルを積極的に売りたいようですね。
クラウンの変革。
14代目では色とフロントマスクでイメージ訴求、15代目では、プラットフォーム重視で走りの実力刷新、16代目では、FF導入やSUV化などで世界と時代の要求に応える…
世間の評価は、その時その時で色々ですが、前に進もう、新しくしようという意志をしっかり持ったモデルチェンジであれば、正しいということなのではないでしょうか。
昨日まで書いてきたように、インパクトのあった14代目クラウンですが、今から思えば、色とフロントマスクだけという感じがしないでもありませんよね。
冷静に見ると、プラットフォームは先代のキャリーオーバーですし、サイドとリアの意匠は、それまでの保守的な「クラウン」を踏襲していますから…
ただ、本気で変わろうとする意志が、この頃から強くなり始めていたことだけは間違いありません。
「変わろう」という意志が強く出た14代目クラウン。
そのシンボル的存在が、昨日書いたピンクのアスリートでしょう。
2012年の発表会で、豊田章男前社長が、このクルマに乗ってステージに登場したことを今でも記憶しています。
CMで使われたこともあり、このピンクのクラウンは、新しモノ好き、変わったモノ好きを中心にヒットし、一時は街中でも良く見かけましたよね。
ピンクの14代目トヨタ・クラウンを見かけました。
昨年フルモデルチェンジした16代目では、コンセプトからガラリと刷新したことで話題になりましたが、この14代目が登場した時も世間は結構ざわつきましたよね。
そういえば、「クラウンにあるまじきフロントマスクだ」などと揶揄されたアスリートの稲妻型グリルも、それまでの保守的なクラウンのイメージを打ち砕くようなインパクトがありましたよね。
狭幅タイヤの魅力について書いてきましたが、世の中の流れは、圧倒的に大径幅広タイヤの方にあることは認めざるを得ません。
たしかに、強固なシャシーと組み合わせると、どっしりした重厚な乗り味を得られ、いかにもSUVといった風情を醸し出すことが出来ます。
またメルセデスなどのゲルマン車をはじめとするラージクラスの高級乗用車なども、皆、このセオリーで成り立っているともいえますよね。
狭幅タイヤといえば、フランス車の存在を忘れるわけにはいきません。
パリ名物、狭い路地を我が物顔で走り抜けるこの国のコンパクトカーを支えていると言っても過言ではありません。
ちなみに、狭幅タイヤには、コーナーをヒラリヒラリとクリアするといったクルマの軽快感を高める効果もあり、それが仏車特有のしなやかな乗り心地「猫足」を生んでいるともいえます。
見た目もカッコ良くてとり回しもしやすいSUVってないんでしょうかねぇ…
そんなことを考えていたら、意外に身近なところに、この問題に取り組み大ヒットにつながったと思われるクルマがありました。
それが2019年にデビューした2代目ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズです。このクルマのトップグレードモデルには、17インチの大径タイヤが採用されていますが、最小回転半径は、なんと5.0mに抑えられています。
その秘密が、17インチという径に対して195mmという狭幅のタイヤプロポーションです。これにより、ステアリングの切れ角を大きく取ることが出来、結果5.0mの最小回転半径が実現したというわけです。
身の回りに溢れるSUV & SUVテイストのクルマたち。
多くのクルマで個人的に一番不満なところが、幅広大径タイヤを装着したことによるドタドタした乗り心地と小回りの利きにくさです。
これがワイルドで良いというユーザーには申し訳ないのですが、日常の道具としてのクルマにとって、狭い路地でのとり回しや乗り心地というのは最優先課題ですからね。
SUV化する乗用車の例として身近な例が、昨年フルモデルチェンジした16代目トヨタ・クラウンではないでしょうか。
賛否両論の嵐だったことも記憶に新しいですが、これも世の流れと思えば、個人的には納得できます。
また、従来の枠にとらわれて、なかなか受け入れられないというユーザー(シニアが多いと言いますが)も、実車に触れて乗ってみれば、その便利さと、このように変わった理由がわかるとおもいます。
気が付くとシトロエンのラインナップのほとんどがSUVテイストになっていますよね。
世界中見渡しても、ここまで傾倒しているメーカーはないんじゃないでしょうか。
彼の地のデザイナー達は、これが一過性の流行などではないと判断して、このようなことになっているのではないかと思いますね。
白と黒のツートーンカラーのシトロエンC5エアクロスSUVを見かけました。
後に発表されたC5Xなどと比べると、スタイリングの凡庸さが目立つものの、かえってそれがいいというユーザーもいるかもしれません。
個人的には、その方向性ならプジョーを選びたいところですが…
ピニンファリーナを語る上で外せないのがフェラーリの数々のモデルです。
古くは1950年代の212インテルから始まり、1960年代の250GTO、そして今でも人気の高いディーノ206/246GTなど名車揃いです。
その後も、F40やF50、エンツォと、その関係は長く続いています。
そして、何より感心するのは、その時代のトレンドを上手く取り込み、常にデザインの流れをリードし続けているということです。
ピニンファリーナのデザインが光るもう一台のプジョー車と言ったら405ではないでしょうか。
昨日採り上げた306より古い1987年デビューのこのクルマ、大ヒットとなった205(こちらもピニン・デザイン)とともに、プジョーの世界的シェア拡大に大きく貢献したモデルと言えます。
個人的には、306同様、ウェッジシェイプなのに優しく穏やかな印象を与えるところに魅力を感じるんですよね。
メタリックグレーのプジョー306を見かけました。
このクルマ、当時の典型的なピニンファリーナ・スタイルを体現していると思います。
兎角、尖った印象になりがちなウェッジシェイプを採りながらも、角を上手く丸めることで、万人受けする優しい印象に持っていくところなど、憎いばかりですね。
急速に身近な存在となったEV、今後は中古車市場での扱いも増えてくるに違いありません。
ただ、個人的に気になるのは、例えば「10年落ち」くらいの低年式車の扱いです。既存のエンジン車の場合は、整備さえきちんとしていれば、まだまだ現役の個体も多いと思いますが、話がEVとなると違います。それは搭載バッテリー(多くはリチウムイオン)のへたりが確実だからです。
完全に「あがる」ことは無いと言いますが、使用時間が短くなるなどの症状は出ているでしょうから、商品価値は著しくダウンしてしまうはずです。
現実に、これからEVを買おうというユーザーの多くが、ディーラーからリセールバリューは期待できないと言われているらしいです。
メンテナンスの手間が軽減されて、金銭的にも気軽に所有できるということになれば、EVは間違いなく爆発的に普及すると思います。
ただ既存の自動車関連メーカーが、必要以上に利益優先で対応した場合、雲行きが怪しくなるかもしれません。
そこで期待したいのが、EV専業で創業したテスラモーターズなどの新興メーカーによる全く新しいメンテナンスメソッドの確立です。
より明るい次世代自動車の社会実現に期待したいところです。
EVの維持管理、まだまだ分からないことも多いですが、間違いなく言えるのは、既存レシプロエンジン車よりメンテナンス要素が少ないということです。
既存のクルマでは、複雑な構造を持つ「エンジン」が心臓部として存在したため、これを維持管理するために定期的整備が絶対不可欠でした。EVでは、その代りがモーターなんですが、多くの家電を見ても分かる通り、モーターというのは基本的にメンテナンスフリーであり、定期整備も必要ないと言ってもいいレベルだそうです。
その代わり、サスペンション、ブレーキシステム、操舵部、補機類をはじめとする従来から変わらない部分に関しては、従来通り定期的整備が必要ということになります。
この辺を、メーカーがどう対応していくかが、これから極めて重要となっていくことは間違いありませんね。
黒いテスラ・モデル3を見かけました。
日本でのテスラ躍進の原動力となったこのモデル、ウチの近所でもすっかりお馴染みとなっています。
今や見かける頻度も日産・リーフより多いような気がしますが、アメ車にしてこれだけ普及した理由の一つに、EVならではの楽なメンテナンスがあることは間違いないでしょう。
時代を先取りしたようなホンダのSUV、クロスロード以外にもまだあります。
それは、1998年発売の2代目Zと2002年発売のエレメントです。
どちらも以前、ヨシキ・ログで採り上げていますが、機構的にずば抜けたオリジナリティーがあるという点で共通しています。
ちなみにこの3台、現在、中古車市場においてプレミア価格で取引されていますよね。
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