6/30の傍観車
「セダンの復権」…ここ数年、多くのメーカーで唱える向きもありますが、叶わぬ夢となっているようです。
そんな中、プレミアムブランドと言われるメーカーでは、軒並みセダンのフラッグシップが健在という事実も見逃すわけにはいきませんよね。
「セダンの復権」…ここ数年、多くのメーカーで唱える向きもありますが、叶わぬ夢となっているようです。
そんな中、プレミアムブランドと言われるメーカーでは、軒並みセダンのフラッグシップが健在という事実も見逃すわけにはいきませんよね。
今やSUVでなければクルマではないというようなご時世ですが、昨日採り上げたDS9は、しっかり「セダン」していますよね。
このスタイルが良いというユーザーも一定数はいるはずなので、いってみれば必要枠ということなのかもしれません。
シトロエンのフラッグシップは今、別ブランドとなったDSに受け継がれています。
いわば、C6の後継車にあたるDS9には、「あのエレガントさ」が残っており、ユーザーもそれを感じているんではないでしょうか。
シャンパンゴールドのシトロエンC6を見かけました。
2005年から2012年まで生産されていた所謂「フラッグシップ」ですが、個人的には往年の血を感じさせる最後のモデルだと思っています。
CXを連想させるファストバック風スタイリングは、シンプルながらエレガントで、いかにもフランスの品の良さを感じさせますよね。
前衛的という意味の「アヴァンギャルド」。良く似た言葉に「エキセントリック」がありますが、こちらは奇想天外とか奇妙といった、悪い意味で使われることも多いようです。
クルマのデザインの場合、この二つは紙一重で、適度なアヴァンギャルドであれば、ヒット車種となる可能性も大きいのですが、エキセントリックとなってしまうと、多くのユーザーの理解を得られず、短命に終わってしまうことも多いようです。
16代目クラウンが、果たしてこの2つのうちどちらなのか、正しいジャッジをするにはもう少し時間が必要かもしれませんね。
16代目クラウンのスタイリング。
すっかり馴染んで、「クラウンと言えばこれだよね」と思えるユーザーが、果たしてどれくらいいるんでしょうか?
セダン、エステート、クロスオーバー、スポーツ、と4つあるバリエーションのうち、セダンが一番保守的と言われていますが、それでも横一文字のヘッドライト意匠をはじめ、アヴァンギャルドであることに変わりありませんね。
ブロンズ色の16代目トヨタ・クラウン クロスオーバーを見かけました。
強烈な印象のツートーン仕様と違い、このモノトーン仕様は若干大人しい印象ですが、それでも大胆に変貌したスタイリングのインパクトは、モデルチェンジから一年経った今でも衰えていませんね。
世のクロスオーバー人気。ブームというよりは、乗用車のスタンダードとして定着した感もあります。
個人的には、よりコンパクトなサイズのSUVがもっと充実してほしいですね。
ライフスタイルの多様化は、ますます進んでいるため、もっとSUVコンセプトのバリエーションがあってもいいんじゃないでしょうか。
RAV4の話が続きます。
このクルマ、先も書いたように、所謂「クロスオーバーSUV」の走りだったわけですが、初代から代を追うごとにSUVテイストを薄めて、より乗用車ライクなクルマになっていきました。ところが4代目が登場した時、世界はクロスオーバーSUV一色といった状況で、タフネスイメージを求める声の強まりから、一気に先祖返りしたクロカンテイストのスタイリングを採用するに至ったという経緯があります。
また北米での販売が主となっていたため、フルサイズボディーでの登場となったわけです。
初代RAV4のスタイリング。5ナンバーサイズを感じさせないグラマラスで張りのあるものだと思いますね。
乗用車ベースながら、強化されたシャシーやサスペンションなどで、そこそこのオフロード走行も行ける性能は、クロスオーバーの先駆けにしては完成されたものだったのではないでしょうか。
赤い初代トヨタ・RAV4(3ドア)を見かけました。
現行モデルとは親と子ほど違う5ナンバーサイズのボディーは、今のライズに近いもので、使い勝手も良さそうでしたね。
また、全周を取り巻くプロテクトプレートは1990年代に流行ったもので、懐かしく思いました。
シトロエン・DSが生産販売されていたのは、1955年から1976年と、実に20年にもわたります。
そして生産終了からすでに47年が経っていますが、このクルマを古臭いとかコンセプトが陳腐化したとか言う人を聞いたことがありません。
それどころか、レトロモダンそのもののデザインは、現在でも立派に通用すると思います。
これぞ「突き抜けた存在」ですよね。
「10年早過ぎた」どころか、発表当時「異次元の自動車」とまでいわれたのが、ヨシキ・ログでは何度も採り上げているシトロエン・DSです。
液体と気体によるサスペンション、ハイドロニューマチックをはじめ、ピラーレスの4ドアハードトップ構造、空力を意識した未来的なスタイリング…と、そのどれもが「斬新」という簡単な言葉で片付けられないほど革新的なアイデアに溢れていました。
でも一番凄いのは、そんな異端児が、一般ユーザーの心を掴み、長年にわたり支持を得続けたということではないでしょうか。
先鋭的なクルマがユーザーの支持を得られない…。ありがちな話です。
よく「10年登場するのが早過ぎた」なんて言われますが、今思い返すと、そんなクルマがいくつもありましたよね。
先に採り上げたスズキ・ツインとトヨタ・iQは言うに及ばず、個人的には、ホンダ・エレメントなんかも典型的なこの例だと思うんですがどうでしょう?
スズキ・ツインやトヨタ・iQ。面白いクルマでしたよね。
どちらも先鋭的な試みをいくつも行っており、今後の自動車開発の大きな糧となることは間違いありません。
ただ当時、どちらもユーザーの支持を得ることは出来ず、生産が打ち切られてしまったのは、さぞメーカーも無念だったことでしょう。
パーソナルビークル。その必要性はずっと言われ続けており、ツインが生産終了した3年後に、今度はトヨタからiQというクルマが登場しました。
こちらは、排気量1.0~1.4リッターの登録車となりますが、全長は3000mm足らずで、充分、マイクロクーペのカテゴリーに入ると思います。
ちなみにiQは、ツインより長い2008年から2016年までの9年間にわたり生産されましたね。
スズキ・ツインの魅力。それは、先進性に富んだ尖ったコンセプトを持つにも拘らず、スタイリングがキュートで可愛らしいというところでしょう。
丸を基調とした卵のようなフォルムは、20年を経た現在でも古さを感じさせず、よく考えられたデザインなのだなと納得させられますね。
白いスズキ・ツインを見かけました。
ツインと聞いて、すぐあのクルマだと分かる方は、相当のクルマ好きかもしれません。
2003年から2005年までのたった3年間だけしか生産されていなかった希少車ですが、そのコンセプトは先進性に富んでいました。
パーソナルモビリティーを志向した2人乗りの軽マイクロクーペで、全長は2735mmしかないという代物。高齢者の移動手段としても考えられており、実際、そのような目的で購入したユーザーもいたと思います。
ハスラーの対抗馬と言えばダイハツ・タフトです。
ガラスルーフを標準装備し、前席二名使用に特化と、差別化を図りましたが、結局ハスラーを超えることは出来ませんでしたね。
奇しくもボクシーでタフな本格SUVテイストのスタイリングが両者で似通ってしまったというのも、後出のタフトには不利に働いたようです。
図らずも大ヒットとなった初代スズキ・ハスラー。時が過ぎ去り、モデルチェンジの時期となった際、メーカーの企画・デザイン部門は大いに悩んだでしょうね。
キープコンセプトで行くかガラリと変えるか、どちらが正しいというものでもないので、当然だろうと思います。
結果、キープコンセプトでありながら、より本格的なSUVのテイストを随所に盛り込むことで、進化ならぬ深化を実現しましたよね。
そして誕生した2代目がヒットしたのは言うまでもありません。
初代ハスラーのような肩の力が抜けたデザイン。狙ってやろうとすると上手くいかなかったりして、なかなか難しいですよね。
ちなみに同車は、ワゴンRの派生車として、比較的安易に企画されたんだというようなことを何かで読みましたが、ありかちな話だと思います。
いわゆる「無欲の勝利」というやつでしょうね。
白いボディーに黒いルーフというツートーンカラーの初代スズキ・ハスラーを見かけました。
2代目もヒットし、すっかり定番人気を獲得した感のある同車ですが、この初代モデルは、サラッとしたスタイリングで、これ見よがしなSUV感も無いため、好感が持てますね。
また、こういう肩の力が抜けたモデルだったからこそ、ヒットにつながったのかもしれません。
EVが乗用車のスタンダードとなるためのカギを握るのが、バッテリーだということは疑いようがありません。
現状のリチウムイオンバッテリーでも、何とか商品として形にはなっていますが、更に大々的に安全性と小型高容量化を進めないと今後の普及は望めないのではないでしょうか。
そこで、解決策として昨今注目されているのが、ヨシキ・ログでも何度か採り上げている全固体電池です。
トヨタなども関わり、世界を上げての研究開発が急ピッチで進められていると聞きますが、先行きの不透明感は拭えませんよね。
内燃機関のクルマが大多数を占める中、じわじわと浸透し続けてきたEV。
世界的な流れもあり、もはや後戻りできない状況となってきた感もありますが、個人的には戸惑いもあります。
その大部分は、バッテリーの進化への不安で、本当に、安全かつ軽量・長寿命で大容量のものが実現普及するのかということですね。
シルバーの日産サクラを見かけました。
手頃なEVとして人気のサクラですが、実車は意外と高級感もあり、軽プレミアムとしてもいけそうですよね。
姉妹車の三菱eKクロスEVは、あくまでもバリエーション展開としてのモデルであるのに対して、サクラは、別モデルという位置づけだったのも影響しているかもしれません。
エアスクープの事を書いていて、ふと気付いたんですが、現在、私が乗っているダイハツ・キャストアクティバも、ターボ車なのにこれが付いていません。
その代わり、昨日も書いたように、フロントグリルから走行風圧を利用してエアをインタークーラーのラジエータに取り込む仕組みになっています。
ちなみに、ボンネットを開けると、その裏側に漏斗状の樹脂製エア取り込みユニット(エアスクープ)が付いているのを確認することが出来ます。
ボンネット上のエアスクープ。国産車にターボエンジン搭載車が登場し始めた頃、これを象徴するアイテムとして大いに持て囃されました。
かつて私が乗っていた2代目ダイハツ・ミラターボTRにも、軽自動車ながらエアスクープが誇らしげについていたのを懐かしく思い出します。
今では、効率よくラジエーターグリルからエアを取り入れる方法が主流となり、これ見よがしにエアスクープを付けるクルマはほとんど無くなりましたが、スバルだけは、今でもこのスタイルを堅持していますよね。
走り屋御用達の国産車といって、スイフトスポーツとともに思い浮かんだのが、スバル・インプレッサWRXです。
初代モデルから続く、ターボを象徴するボンネット上のエアスクープは、このクルマのアイコンとなっていますよね。
スイフトが世界戦略車であるがために、身につけた性能。それは、国産車とはレベルが違う「走る・曲がる・止まる」の性能です。
ヨーロッパの強豪メーカーと張り合うために、これは必須条件であり、このクルマの一番の売りにもなっています。
特に、メーカーがチューンナップした「スイフトスポーツ」は、走り屋さん御用達として知られていますよね。
スイフトに乗って思うこと。それは、他のラインナップとは一線を画す世界基準のクオリティー感です。
スズキというと、価格は安く性能的には優れているものの、見た目の品質感がライバルメーカーに比べてやや劣るというのが、個人的に正直な印象でした。でも、スイフトに関する限り、そんなことは皆無で、それこそ、フォルクスワーゲンなどと同等のステージで検討できるクルマに仕上がっているんですよね。
それが国産車ということで、他の国より安価な価格で購入できるというのがスイフトの魅力です。
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