2/29の傍観車
SUVは、人類史で最後のブームとなってしまうのか、それほど現在の地球環境は厳しさを増しています。
「地球温暖化」という言葉に私は懐疑的ですが、それでも地球が悪い方向に行っていることだけは間違いないでしょう。
日本から四季という言葉がなくなり、乾季と雨季だけになってしまうということが現実味を帯び始めており、そんな中で一ユーザーとしてどんなクルマを選んだらよいのか、本当に難しいですよね。
SUVは、人類史で最後のブームとなってしまうのか、それほど現在の地球環境は厳しさを増しています。
「地球温暖化」という言葉に私は懐疑的ですが、それでも地球が悪い方向に行っていることだけは間違いないでしょう。
日本から四季という言葉がなくなり、乾季と雨季だけになってしまうということが現実味を帯び始めており、そんな中で一ユーザーとしてどんなクルマを選んだらよいのか、本当に難しいですよね。
すべてのクルマがSUV化しているといってもいい現状、何度か書いていますが、やはり使い勝手が良いんですよね。
以前のステーションワゴンブームの時もそうでしたが、日常プラスワンをユーザーはいつも求めているんだと思います。
それがSUVブームでいえば、タフネスさだったのではないでしょうか。
白いトヨタ・カローラクロスを見かけました。
C-HRやヤリスクロスより控えめなデザインは、いかにも日本人好みといったところですが、実際、中高年の保守的な層の人気が高いそうです。
今やSUVだけで老若男女のニーズを賄えるところまで来ているのかもしれませんね。
軽のスポーツカー、S660なき後はダイハツ・コペンの独り舞台といえる状況が続いています。
ホットモデル程度のクルマなら、各社にラインナップがありますが、純粋なスポーツカーとなるとニーズも限られるため、メーカーが生産を続けるのは難しいのだと思います。
S660…支持者は多かったものの、2022年に惜しまれつつ生産終了してしまいましたよね。
ホンダによる説明では、2022年以降の各種法規制に対応していくのが難しくなったためだということですが、改良しながら生産続行していけるだけの財力がなくなったためという見方もありますよね。
白いホンダ・S660を見かけました。
ホンダが総力を挙げて開発したお得意のスポーツカーですが、あえて軽自動車枠で出したところがミソでしょう。
また、以前販売していたビートの後継車だという見方もありますが、ホンダはそれを否定していますよね。
ガラパゴス的進化を遂げた日本の高級ミニバン。
走るオフィスよろしく都内を疾走する姿は、もはや日本の風景の一部となっています。
押し出しの強さをライバル同士で競うのも行きつくところまで行ったと見えて、ここ最近は、メッキびかびかのものからグロスブラックのフロントマスクがトレンドになるなど変化の兆しも見えるようになりましたよね。
アルファードにすっかりお株を奪われたエルグランド、3代目は戦意喪失状態のまま、結局14年間フルモデルチェンジなしということになってしまいましたよね。
4代目への進化でこれを逆転するのはかなりの難題だと思いますが、日産お得意の電動化テクノロジーをフル活用し、名勝負を見せてほしいものです。
アルファードに代表される国産高級ミニバン、今や法人需要が柱と言ってもいいのではないでしょうか。
また、芸能人などの移動車としても、すっかり定番となっています。
このような、独自の立ち位置を確立したアルファードは、やはり強いですよね。
白い初代トヨタ・アルファードを見かけました。
先行した日産・エルグランドの対抗馬として2002年にデビューしたこのクルマ、FFプラットフォームを活かした効率的なパッケージングや日本人好みの豪華な内装などで一躍人気となり、今や向かう所敵なしの状態にまで上り詰めました。
でも、あらためてこの初代モデルを見ると、結構プレーンなフォルムで、程々の押し出しの強さにかえって好感が持てたりします。
常に原点回帰のクルマといって、まず思い浮かべるのがポルシェ・911です。
1964年の初代デビュー以来、RR(リアエンジン、後輪駆動)と丸みを帯びた独特のスタイリングは普遍ですが、トータルパフォーマンスも常に世界最先端であり続けているというのがミソですよね。
「原点回帰にして世界最先端」…凄すぎます!
原点回帰。初心を取り戻すという意味でも良い行いですよね。
でも、本当は常にその意識を持って物事に取り組んでいなければいけないわけで、現実それがいかに難しいかということでしょう。
ちなみに、クルマの世界でも、常に原点回帰の心意気を持つモデルというものがいくつか存在していると思います。
6代目ステップワゴンって、どこか初代のイメージを感じさせる、いわゆる「原点回帰」モデルということができるのかもしれません。
飾らないボクシーなフォルムは、往年のアメリカのミニバンなんかを参考にしたんでしょうか、実に嫌味の無い生活の道具としての潔さがあるように感じます。
ホンダは、いろんなモデルで時々このような原点回帰を行うんですが、悪くないアクションだと思いますね。
グレーの6代目ホンダ・ステップワゴンを見かけました。
フルモデルチェンジから2年、見慣れてきた現行のスタイリングですが、なかなかそのエフォートレスで端正なデザインの理解は進んでいないように感じられます。
スライドドアのドアハンドルなんかもよく見ると、細やかにデザインされていたりするんですがねぇ…
大衆車をプレミアムビンテージカーの如くきれいに乗る美徳。
古い欧州車なんかでこれをやると、多くの人から「オシャレ」などと言われます。
でも、これからは、30年落ちくらいの国産大衆車をピカピカな状態で乗ることが、本当のオシャレさんなんて言われるようになったりして…
スズキ・ツインのようなマイクロカーやコンパクトカーをきれいな状態で大切に長く乗るユーザーはなかなかの少数派でしょう。
でも、昨日書いたような「奇跡的な一台」を目の当たりにすると、オーナーのクルマに対する見識の高さを改めて感じることが出来ますよね。
ひと言にクルマ趣味と言っても、いろいろなアプローチがあるものだと再認識させられる次第です。
白いスズキ・ツインを見かけました。
傍観車でも何度か採り上げているクルマですが、今回見かけた個体はコンディションが極めて良好でしたね。
手入れも行き届いている様子で、まるで新車のようでした。
それにしても、20年前のマイクロカーが、これほどの状態で維持されていることに驚きを禁じえませんでしたね。
EVの世界的トレンドが、既存のクルマと何変わりなく存在することだとすると、日本のクルマは、まだまだかもしれません。
国産各社のクルマを見ても、どこか、EVだからという「気負い」のようなものを感じられるデザインが多く、日常にEVが浸透していないことの裏返しととらえられても仕方がないという状況なのではないでしょうか。
また、HVの普及が他国より進んでいたこともそれに影響していますよね。
EV推進の先進国といえば、北欧を忘れるわけにはいきません。
そのビッグネームであるボルボですが、ここ日本でもあっという間にEVのラインナップを取り揃え、販売台数も着実に伸ばしています。
特徴としては、昨日採り上げたBMWと同じく、既存のクルマと何変わりないデザイン、雰囲気で、あたりまえのように乗ることが出来るということでしょう。
白いBMW・iXを見かけました。
今や雨後の筍の如く販売されているSUVタイプのEVの一台ですが、ゲルマンメーカーの対応は実にそつがありませんね。
本当に何の違和感もなく、既存のクルマの中に溶け込んでいます。
これはメルセデスやVW、アウディなどにも言えることで、EV対応の先進国ならではといえそうです。
小さな高級車の反対といえば、大きなサイズでもリーズナブルな価格で購入でき、気軽に乗れる、昔から言う「ドンガラなクルマ」でしょう。
これはこれで、けっこう魅力ありますよね。ある意味、今のSUVブームの背景にもそんなことが影響しているかもしれません。
いろんなものを気兼ねなしにポンポンと詰め込んでも余裕があり、どこにでも気軽に出かけられるクルマ…それがドンガラなクルマの醍醐味です。
クラスレスな魅力をもつクルマの台頭は、以前から「小さな高級車」推しだった自分にとっても、喜ばしい状況ですよね。
特に、日本の軽自動車こそ、そのメインステージになってもいいと思っていたところのサクラのヒットは、まさに胸のすく思いでした。
クラスレスな魅力。
「〇〇フリー」があちらこちらでキーワードになる昨今、当然のようにクルマの世界にもその波が押し寄せてきたという感じです。
人それぞれが、自分に合ったサイズ、価格、デザインのクルマをごく自然に求めているという現状は悪くないと思いますね。
カッパー(銅色)の日産・サクラを見かけました。
軽自動車のイメージを変えるヒットとなったサクラですが、その理由はEV以外にもあるようです。
今までは、「軽だからこんなもんだろう」という暗黙の了解的なクオリティーの基準があったように思いますが、サクラはその域を超えて、クラスレスな魅力を訴求してきたからこそ、これだけユーザーに受け入れられたのではないでしょうか。
このカラーリング一つとってみても、そのことを実感しますよね。
「生物の形状に角はない。すべて曲面で構成されている。だから自分は曲面のみでデザインする。」と言ってのけたのが、かつて一世を風靡した工業デザイナー、ルイジ・コラーニです。
私が美大の学生だった1980年代前半が、ちょうど彼の全盛期で、日本では文字通り、ありとあらゆる工業製品のデザインに彼の名を見ることが出来ましたね。
そういう私もデザインの志向が近かったせいか、コラーニのデザインには魅せられていて、学生の身には高価だったペリカンのボールペンやAdam&Eve(たち吉)のコーヒーカップなどを買い求めて手元に置いて愛でていたものです。
ちなみに、Wikipediaによると、そんな彼も2019年9月に91歳でその生涯を閉じていたとのこと。心からご冥福をお祈り申し上げます。
丸いものを好む傾向は、すべての人にあるという説があります。
よく「胎内回帰願望」などと呼ばれているのがそれで、丸く包み込まれるほの温かい環境を人は本能的に求めるという説です。
言われてみれば、なるほどと自分の場合は思うんですが、それであれば、角のある直線的なクルマを好む人には、どんな背景があるのかが気になってしまいますよね。
ノスタルジックで温かみのあるデザイン…よくレトロモダンなどと呼ばれるデザインは、ここ何年かですっかり定着した感があります。
懐かしいもの、記憶の底にあるものは、人に安心感を与えますし、新しいものを常に許容していかなければならないという緊張感に支配された現代を生きる人の一服の清涼剤としての意義もあるんではないでしょうか。
いずれにせよ、これは必然であり、これから益々デザインの一つの柱として存在し続けるんじゃないかと私は思います。
ビートルも911も、ポルシェが絡んでいるという点で、同じデザインスピリットを持つものと思います。
おそらく当時は、流線形=優れた空力性能=高性能という定説があり、これらのクルマはその急先鋒であったことは間違いないでしょう。
それが今となっては、牧歌的ノスタルジックすら感じさせる意匠として受け入れられているというのが、実に興味深いと思いませんか?
私がムーヴキャンバスを良いなと思う理由の一番が、丸みのあるデザインです。
コンセプト的にはボクシーなワゴンであっても、全体的なシルエットとして丸みを感じさせるところが何とも言えず良いんですよね。
この好みは昔からで、多分、その原体験としてVW・ビートル(Type1)やポルシェ911があったことは間違いないと思うんですが…
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