9/30の傍観車
スペーシアで、個人的に印象深いのが、2代目モデルのスペーシアギアです。
それまで他社になかったSUVテイストの軽スーパーハイトワゴンは、大ヒットとなり、各社から後追いが続出することになったのは記憶に新しいところです。
私は、この要因は、ベースモデルのデザインが、タフなスーツケースをモチーフにしていたことに尽きると考えますが、そうなると、3代目をベースにしたスペーシアギアのスタイリングには、どうしても不安を覚えてしまうんですよね。
スペーシアで、個人的に印象深いのが、2代目モデルのスペーシアギアです。
それまで他社になかったSUVテイストの軽スーパーハイトワゴンは、大ヒットとなり、各社から後追いが続出することになったのは記憶に新しいところです。
私は、この要因は、ベースモデルのデザインが、タフなスーツケースをモチーフにしていたことに尽きると考えますが、そうなると、3代目をベースにしたスペーシアギアのスタイリングには、どうしても不安を覚えてしまうんですよね。
スペーシアのスタイリング。先代2代目は、スーツケースをモチーフにするという斬新な発想で、一本取られた感じがしましたが、今回見かけた3代目は、どうにも他との差別化が出来ませんよね。
よほど、ホンダ、日産の高品質路線に影響されたんでしょうか、今までのスズキ車に感じられなかった作りの良さはあるものの、それだけに終わってしまっているように感じられてなりません。
個人的に、スズキには、多少ラフでもコスパが良くてポップなテイストのクルマを期待したいですね。
白い3代目スズキ・スペーシア カスタムを見かけました。
良く言えば、端正で精悍なフォルム、悪く言えば、どこのクルマか分からない没個性的デザインですね。
特に日産、ホンダと似たテイストを感じますが、先代の個性的なスタイリングが良かっただけに、残念で仕方ありません。
連日書いているエレメントですが、個人的に良いなと感じたのが、バンパーやフェンダーなどの車体下半分に使用されたグレーの無塗装樹脂パネルです。
日本では、これが貧乏くさいとかカッコ悪いなどと、昔から不人気で、いくつか採用したモデルはあったものの、どれも不人気車となってきた歴史があります。
でも、タフさが求められるSUVにおいては有用で、デザインさえ良ければ受け入れられると思うんですがね…
エレメントは、今や中古車市場でプレミアがつくほどの人気車だと聞きますが、それなら、トヨタ・ランクル80みたいにリバイバル販売されないですかね?
ホンダお得意のACC等先進装備を付加すれば、結構いけそうな気もするのですが、観音開きドアなどの採用もあるため、車体剛性が現代の安全基準を満たせない可能性もあります。
エレメント。日本では不人気でしたが、生産国である北米では結構な人気で、2002年から2011年までの長きにわたって販売されていたということです。
今となってみれば、時代を先取りしたコンセプトだったということになりますが、もったいない話だと思います。
シルバーのホンダ・エレメントを見かけました。
塗装の艶はすっかりなくなり、グレーの樹脂部も白っちゃけていましたが、それがかえってSUVらしくて良い感じでしたね。
アメリカからの弱輸入車として、2003年から2005年までのたった2年間のみの販売、不人気だったということで、希少車扱いとなっています。
EV最大の問題点であるバッテリー、その依存度を大きく軽減できる方法がFCVでしょう。
何といっても「自家発電」ですから、基本、バッテリーは、始動時にしか使わないということになります。
後は普通にモーターで走るEVとして使用出来るのが良いですよね。
ただし、燃料である水素を供給する水素ステーションの整備は、BEVの充電スタンド設置に比べて遥かにハードルが高く、既存のガソリンスタンドのように全国津々浦々まで普及させるのは並大抵のことではないというのが実情のようです。
個人的には、EVの問題点は、モーターのパワーや使い勝手にあるのではなく、あくまでもバッテリーの廃棄と再生、発電の方法にあるのではないかと思うのです。
実際、いろんなEVに乗ってみても、初期加速のパワーとトルク感は、大排気量のガソリンエンジン車を大きく凌ぐものがありますし、メンテナンスも、自動車というよりは家電に近い感覚で、実に気軽に扱えると感じました。
その一方、10年20年と長く乗るためには、劣化したバッテリーを交換する必要があるものの、現実的なサポート体制は確立しておらず、結局使い捨てにしなければならないのではという不安を持たざるを得ないんですよね。
プリウスが再注目される理由、それはガソリンを入れるだけで走るということに尽きるでしょう。
BEVの場合は、言うまでもなく充電という行為が必要不可欠で、この拠点が、いわゆる都市インフラとして相当数必要になります。ところが現実は、まだまだ足りない…ということで、新たにBEVを購入したユーザーの間で不満が溜まっており、これが、このところのEV不振にもつながっているというわけです。
その点、プリウスはパラレル式ハイブリッドということで、EVとしての側面を持ちながらも、エンジンとモーターのパワーを同時に享受出来るため、走りにもある程度期待が出来ます。
これが、現実的な選択肢として世界的に見直されている理由ということなのではないかと思います。
白い5代目トヨタ・プリウスを見かけました。
昨日まで書いてきた世界的なBEV不振をよそに、売れまくっていると言いますから、トヨタも笑いが止まらないのではないでしょうか。
それに、歴代一と言われるスタイリングの良さも際立っていますよね。
これまでのEV対応で、このところ持ち上げられることの多いのがトヨタでしょう。
一時、優柔不断だ何のと叩かれていた「薮睨み」戦略が、今となってみると正解だったと言われるんですからね。
個人的には、一歩踏み込んで、ガソリンの環境的有効利用をもっと真剣に考えてみるべきだと思います。
EVに対する考え方、以前はBEV一辺倒だったものが、PHV、FCVなどを含む、より緩やかな枠に拡がったといえるのではないでしょうか。
以前からこの傍観車でも、廃バッテリーの問題や、発電所まで含めたトータルでの環境負荷の問題などについて疑問を投げかけてきましたが、世界中のユーザー達からも、購入留保という形で、意思が示されているのだと思います。
皆で一度立ち止まって考え直してみてもいいんじゃないでしょうかね?
EVの足踏み状況を伝えられはじめたのが今年の初め。一気の雲行きが怪しくなってきたのを感じたものです。
あれだけBEVに大きく舵を切ったと思われた欧米各メジャーメーカーも、次々と方針撤回を表明し、HVの並行生産を続けることとなり、世界一のEV大国となった中国では、雨後の筍の如く増えてしまった新興メーカーの敷地に、出荷の見込みもないBEVの在庫が埃をかぶっている様子が頻繁に報道されたりもしました。
世の中の先を読むことは、本当に難しいと思いますね。
全盛を極めたワンモーションフォルムに別れを告げ、再びプレーンな2ボックススタイルに回帰した6代目ステップワゴン。
同時に、細かい部分に高いデザイン性を持たせることで、ハイセンスなイメージを狙い、古臭く見えることを防ごうとしていますよね。
この方向性を個人的には支持しますが、今のところ、大多数のユーザーからの反応はあまり芳しくないようで、再び元のトレンドに戻ってしまうのではないかと冷や冷やして見ているんですが…
ステップワゴンが、トヨタや日産のミニバンと決定的に違う点。それは、ワンボックスキャブオーバー系からの流れではなく、スタートからFFベースだったことでしょう。
これは、初代、2代目(原点回帰した6代目も)におけるボンネットが独立した2ボックススタイルを見ても分かります。
それまで、どこか商用車臭かった日本のミニバンに、完全なる別れを告げた最初のクルマが初代ステップワゴンだったというわけです。
クリーム色の初代ホンダ・ステップワゴンを見かけました。
今から28年前のクルマですが、現行6代目モデルが原点回帰のデザインを採用していることもあり、あまり古さを感じさせませんでしたね。
また、今回見かけた個体、完全に原型をとどめたノーマル状態で、おそらく購入から現在までワンオーナーだったんではないかと思われます。
ごく自然に30年近く経て、適度にやれた状態が何とも言えず良い感じでした。
いい加減、アンダーステイトメントなデザインが認められる時代になってほしいと思っているんですが、現実は難しいですよね。
一時、全社を挙げてこの方向に舵を切っていたプジョー車のデザインも、最近では再び、獅子の牙をモチーフにした押し出しの強いものに戻ってしまいました。
昨日書いたホンダにしても、プレーンさやエフォートレスを謳った4代目フィットや6代目ステップワゴンなどが、パッとせず、マイナーチェンジで、再び押し出しの強さを加えてきたりしています。
競争社会ゆえの、いわば宿命なんですかね。
近年、押し出しの強さを競うが如くモデルチェンジを繰り返してきた各社の上級ミニバン。
個人的には、いい加減、上品さやエレガントさを訴求する時代になってもいいのではないかと思っているのですが、どうでしょうか。
そんな中、ホンダなどは、一昨年デビューした6代目ステップワゴンで、大きくデザインを方向転換し、プレーンながら上質感があるスタイリングを訴求し始めましたよね。
市場の反応は微妙なところもありますが、トライしたことには評価をしたいと思います。
アルファードというと、これでもかという押し出しの強さが頭に浮かんでしまうんですが、皆さんはどうでしょうか?
これは、主にフロントマスクの印象に負うところが大きいと思うんですが、調べてみると、初代、2代目までは、ごく常識的な大きさのラジエーターグリルだったものが、3代目にモデルチェンジしたのをきっかけに巨大化し、フロントフェイスの大部分を覆うようになったことがわかります。
そして同時に、派手なクロームメッキ加飾も加わり、あの強烈な押し出しの強さが生まれたというわけです。
黒い4代目トヨタ・アルファードを見かけました。
箱型フォルムという制約がある中で、よく実現できたなという、エッジが効いたサイドの強いウェーブか印象的です。
個人的には、もう少しアンダーステイトメントなものが好みなんですが、歴代、押し出しの強さを売ってきたクルマだけに理解はできます。
マツダのFRに対する憧れは本物だったようで、2022年にはCX-60に、次のMAZDA6でもFRを採用するという話です。
それどころか、新しく開発した直6エンジンを縦置きするという徹底ぶりで、ここまでくると「アナクロだ」なんて言ってられませんよね。
周りの不安をよそに、まさに社運を賭ける意気込みで計画を進めるマツダ。まあ、発電用にロータリーエンジンを復活させるなどの画期的試みも同時に行っているので、全体としてみれば、問題ないのかもしれませんが、気が気ではありませんよね。
FRみたいなFF…トレンドなんでしょうか?
往年のスポーツクーペを彷彿させる長い鼻先を持つ最近の前輪駆動車を見ていて、どうにも納得がいかないんですよね。
例えばCセグメントのハッチバックであるMAZDA3ファストバックなど、あそこまでやるのならFRにしたほうがいいのにと思ってしまいます。
実際、長いボンネットの中には、コンパクトな横置エンジンとモーター、トランスミッションなどが入っているだけで、スカスカですよ。
もし、その「余剰分」をキャビンスペースに使っていたら、フルサイズサルーン並みのゆとりある室内空間を得られるわけです。
なんて書いていると、「オシャレは痩せ我慢なんだよ」という声が聞こえてきそうですが…(苦笑)
白い3代目BMW・1シリーズを見かけました。
当初、違和感があったBMWのFFも、今ではすっかり馴染みましたよね。あえてボンネットを長めにとり、FR的なプロポーションを堅持する手法は、最近のマツダなどでも見られます。
私など「そんなら、あえてFFじゃなくても、FRでいいじゃん」などと思ってしまうんですが…
全高の高さからくる不安感を払しょくするデザインの技。
今や全高1800mm前後が主流となっている軽自動車においては、欠かせません。
でも、冷静に見てみると、前方投影縦横比が1:0.8ということですから、お世辞にもスポーティーでカッコいいものとは言えません。
それでも、スポーティーさを売りとするカスタム系が売れ筋になるんですから、カーデザインの世界は奥が深いです。
ワゴンRのスタイリング。
今から見ると、初代から3代目までは、腰高な印象が拭えませんね。やはり、全幅より全高の数値が大きいというのが、デザイン上のネックになっていたものと思われます。
ところが、4代目になるとその印象はだいぶ少なくなっており、それ以降のモデルでは、ごく普通の自動車として認知できるくらいになっているのです。
これは、多くのユーザーが、この手のクルマを見慣れてきたということより、デザインのテクニックにより、腰高感を払しょくできたからと考えることが出来ます。
横ラインの使い方のうまさ、ショルダーラインの絶妙な設定、細かい部分のあちこちに目の錯覚を応用した細工が施されているのです。
デザイナーの腕の見せ所ということでしょうか。
初代ワゴンRが出た時、「軽なのに、登録車並みの室内空間があるぞ」と驚いたものです。
これは、1640mmという、当時の乗用軽自動車の標準を大きく上回る全高の恩恵でした。
以来、トールワゴンは軽自動車のスタンダードとなり、更に全高を上げたタントやN-BOXなどのスーパーハイトワゴンを生み出すことにつながるわけです。
白い4代目スズキ・ワゴンR スティングレーを見かけました。
軽トールワゴンのパイオニアとして、歴代最も乗用車ライクでスタイリッシュなデザインといってもよいこのクルマ、今見ても古さを感じさせないのが凄いですね。
後席スライドドアが全盛の今時、正統派コンパクトカーを目指した感もあるこのクルマは、かえって新鮮に感じますね。
散々だったアメリカにおける初期レクサスのデザインの評判。
それを覆したのが、例のスピンドルグリルの採用だったことは言うまでもありません。(2012年の4代目GSが最初といわれる)
日本人の目からは、だいぶ奇抜で違和感のあったその形も欧米人のお眼鏡には適ったようで、以来、本当の意味でレクサスは世界的ブランドとして定着したのです。
欧米で味噌糞に言われた初期レクサスのデザイン。
今でこそ、エフォートレスなどという言葉が国際的になっていますが、1990年代、主張の無いデザインはデザインにあらずという世界的通念がまかり通っていたのです。
欧州各自動車メーカーは、それぞれの伝統を反映したオリジナルなフロントマスクを持つことが当然とされ、一目見ただけで、そのクルマがどこのメーカーのものかわかったものです。
それに比べて初期のレクサス各車は、日本における高級車の条件(痒い所に手が届くようなホスピタリティー)は満たしていたものの、見た目が、あまりに大人しく、欧米人の目からは「どこのクルマか分からないじゃないか」ということだったに違いありません。
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