10/31の傍観車
老舗メーカーが重厚感のあるグリルデザインにこだわる一方、新参メーカーは、敢えてグリルレスのフロントマスクを採用することも多いですよね。
代表的なのがテスラで、BEVということもありますが、完全なグリルレスのフロントマスクで勝負しています。
ちなみに新参メーカーではありませんが、最近のホンダも、エフォートレスデザインの一環でグリルレスに近い控えめなフロントマスクを採用することが多いように思いますね。
老舗メーカーが重厚感のあるグリルデザインにこだわる一方、新参メーカーは、敢えてグリルレスのフロントマスクを採用することも多いですよね。
代表的なのがテスラで、BEVということもありますが、完全なグリルレスのフロントマスクで勝負しています。
ちなみに新参メーカーではありませんが、最近のホンダも、エフォートレスデザインの一環でグリルレスに近い控えめなフロントマスクを採用することが多いように思いますね。
フロントマスクというくらいで、クルマの正面デザインは、それぞれのメーカーの顔でもあるわけですが、その印象を決定付けているのがグリル(ラジエーターグリル)の意匠ではないでしょうか。
メルセデスのパナメリカーナグリル、BMWのキドニーグリル、ロールスロイスのパルテノングリルなどの「大御所」をはじめ、近年ではレクサスのスピンドルグリルも国際的に認知されるようになりましたよね。
これらを大胆だったり控えめだったりと、その時その時で巧みにデザインすることで、時代の要請に応えているというわけです。
日本車のみならず、世界中で盛んな兄弟車、姉妹車。
昨日取り上げたステランティスグループのドブロはじめ各車も、見方によれば安直な姉妹車展開ということもできますが、そこは昔から美術に一家言あるヨーロッパのこと。フロントマスクの意匠だけでも各社のアイデンティティーが滲み出るような力作で、見応えがあります。
紺色の3代目フィアット・ドブロを見かけました。
この車名だけでわかる方は相当のクルマ好きだと思います。
以前、傍観車でも取り上げたことがありますが、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴ、欧州トヨタ・プロエースシティの兄弟車ですよね。
兄弟の中では、最も実用的というか廉価版的な印象ですが、かえってそれがオシャレだと思える人にはぴったりのクルマだと思います。
FRを象徴するロングノーズ・ショートデッキ。
近年、FFでも敢えてこのスタイリングを取るクルマが散見されるようになりましたよね。
例えば、マツダの最近のラインナップ、メルセデスのAクラスの系統なんかです。
効率よりカッコよさを優先するという意味では、マツダは良しとしても、かつて質実剛健の権化として君臨したメルセデスのクルマに関して、私は、どうしても違和感を拭い切れないんですが…
「伝統の」という枕詞がつくことの多いFR(後輪駆動)のクルマ。
ボンネットに縦置エンジンが収まるという構造上、必然的にロングノーズ・ショートデッキというスタイルになり、これをカッコいいと思うクルマ好きから支持されてきました。
近年はクルマにも効率の良さが求められることから、合理的なFF(前輪駆動)が持て囃されることになりましたが、優雅さカッコよさではやはりFRの方が上と言えるでしょう。
白い16代目トヨタ・クラウンセダンを見かけました。
クロスオーバー、スポーツ、エステートを加え、4車型での展開となった16代目ですが、このセダンだけが伝統のFR(後輪駆動)プラットフォームを採用しています。
今までとスタイリングが大きく変わってしまったため気付きにくいですが、やはり4車型の中では一番エレガントさを感じさせる仕上がりとなっていると思いますね。
日本でもすっかり定着した感があるジープブランド。
現在、日本での主力は、最もプリミティブなラングラーでしょうか。国際的にはコンパクトなクロスオーバーSUVのレネゲードの勢いがあるような気がします。
いずれにせよ、伝統あるベビーデューティーカーブランドとして、唯一無二の存在であることは間違い無いでしょう。
2代目ジープ・チェロキー。
そのシンプルな直線基調のデザインも大いに魅力的でしたね。
日本でも比較的取り回ししやすいサイズは、新世代のアメ車という感じがしたものです。
また、ホンダでも販売され、実際、結構売れたと記憶しています。
2代目チェロキーが、日本に入ってきたのが1984年。
アメリカから貿易摩擦解消を強く迫られた時代背景、その急先鋒として300万円を切る戦略的価格で導入されました。
私も強く印象に残っていますが、当時、ありとあらゆるマスコミで取り上げられたものです。
でもこのクルマは単なるアメリカからの押し付けではなく、アメ車としてかつてないほどにコンパクトな乗用系SUVの先駆けのような成り立ちだったため、大柄で無骨なRVがブームだった日本に文字通り新風を吹き込む役目を果たしたものと思います。
黒い2代目ジープ・チェロキー(XJ型)を見かけました。
今から40年前、300万円を切る輸入車として大々的にマスコミを賑わしたこのクルマ、シンプルな分、今見てもそこそこ行けそうな感じすらしましたね。
多くのユーザーにとって万能型トールワゴンとして受け入れられている現在のSUVタイプの軽スーパーハイトワゴン。
多少無理が利いて、生活の道具として使い倒せるようなクルマを求めているという事でしょう。
私は、そんな意味では、もっとタフネスな方向に振ったクルマがあっても良いような気もするんですが、どうでしょう?
スペーシアギアに触発されて、三菱からデリカミニ、ダイハツからタントクロス、ホンダからはNBOX Joyが登場しました。
NBOX Joyは都会志向で若干コンセプトが違いますが、残りの二つとは完全にガチ対決という感じです。
デザイン面だけで言えば、デリカミニが一番ストレートな解釈で、タフさを演出しており、個人的には好感が持てますね。
黄色のボディーに黒いルーフの3代目スズキ・スペーシアギアを見かけました。
スペーシアギアとしては2代目と言うことになりますが、デザインテーマが、先代モデルに比べて多少ぼやけた感は否めませんね。
ツールボックスがモチーフだった先代のデザインは、SUVには良く合っていたんですが、3代目のデザインはどちらかというとオンロードモデルのカスタム系により似合うもののように思います。
それでも今回見かけた個体はカラーリングがポップなものだったので、バランスは取れていたと言えるんじゃないでしょうか。
一時ほどの人気では無くなった感もあるレトロモダンテイストの乗用車。
個人的には、いまだに支持しており、あの力が抜けたホッとするような感じがなんとも言えず良いんですがね。
何より私は丸目のヘッドライトじゃないと満足しないんで、どうしてもそっち方向のモデルを選ぶことになります。
旧車チックな現行モデル。トヨタで言うと今はランクル80が筆頭に位置づけられるのではないでしょうか。
最新の安全基準に合わせて改修、デザインテイストもレトロモダンに再構成するなど、相当力の入ったリニューアルが施されているのが特徴です。
従来モデルを併売するカローラに対して、もう一つのトヨタを代表するブランドであるクラウンは16代目で完全に新世代に移行しましたよね、
それまで長らく併売されていたクラウンコンフォートやクラウンエステートも数年前に整理されました。
一部のマニアたちは、日産のサニートラック(通称サニトラ)などと同様、旧車チックな現行モデルとして、これらを珍重していたようですが、今は叶わぬ夢となりました。
シルバーのトヨタ・カローラツーリングを見かけました。
流麗なフォルムは最近の他モデルと共通のテイストですが、ラインナップを見ると従来のカローラフィールダーも併売されているんですね。
ちなみに、セダンも、カローラとカローラアクシオが併売されており、わかりにくい商品展開になっています。
まあ、ビジネス用途に向けた位置付けなのかもしれませんが、カローラといえば一応歴史あるペットネームなだけに、ここはすっきりとした商品構成にしてもらいたいと思いますね。
限りないサイズ拡大の歯止めの一助を担っていると言えるのが日本の軽自動車規格でしょう。
実際、ユーザーの多くも、コンパクトなサイズの車を望んでいると見えて、今や国内自動車市場の約4割が軽自動車となっています。
メーカー側としては国際競争力のある世界標準サイズの車を作りたいというところで、国内ニーズとの齟齬をきたしているのだと思います。
モデルチェンジごとのクルマのサイズ拡大。
どこのメーカー、モデルでも現在当たり前のように行われていますが、本当にそれで良いのでしょうか?
環境保護、SDGsの観点からも疑問に思わざるを得ません。
人間の限りない欲望を満たすために進化し続ける資本主義社会の限界を感じてしまうのは私だけでしょうか?
赤い初代BMWミニ・ONEを見かけました。
改めて見るとコンパクトですよね。日本の小型車枠に収まる全幅1690mmのサイズは、「これならミニと言っても良い」と思わせるもので、私などは、次のモデルはこれくらいのサイズに戻ってもらいたいと思ったりします。
シトロエンというメーカー。日本人と相性が良いのか、現在でも人気のブランドですよね。
プレミアムブランドのDSと合わせて、日本で最も売れているフランス車メーカーとして君臨しています。
他メーカーでは決して味わえないオリジナリティーあるアヴァンギャルドなデザインで、人と同じものを好まない一部の天邪鬼なオーナーの強力な支持を得ているようです。
生粋のシトロエンとしての最後のフラッグシップといえば2005年登場のC6(初代)なのではないでしょうか。
このクルマもうちの近所で時々見かけることが出来ます。
ベージュメタリックのそれは、現代的な要素と往年のエレガントさが絶妙に渾然一体となった魅力があり、全然今でも通用するデザインだと思いますね。
うちの近所にオーナーさんがいらっしゃるんだと思いますが、時々、昨日書いたシトロエン・DSやCXを見かけるんですよね。
どちらも近年、ほとんど見かけることがなくなったクルマなので、毎度貴重な体験をさせてもらっています。
ところで、私自身BXオーナーだったことがあるのでわかるんですが、シトロエンというのはある種宗教みたいなもので、一度その世界にハマると一生を共にする存在となることが多く、このオーナーさんもきっとそうなんじゃないかと思ったりしています。
うちの近所で茶色のシトロエン・DSを見かけました。
何度か書いていますが、これほど時空を超えたデザインのクルマはないんじゃないでしょうか。
何度見てもこれが1955年に登場しとは信じられません。
ただ、今回見かけた個体は、かなり使い込まれた印象、ヤレ具合で、優に50年を超える車歴を物語っていましたね。
CX-60を見ていると、マツダは完全に吹っ切れたんだなということがわかります。
ここには、かつて「マツダ地獄」などと呼ばれた頃の影は微塵もありません。
その頃マツダ車に乗っていた私などは、どうしてこれがあの頃できなかったのかと悔しい思いでいっぱいなんですが…
他と違うことに意味を求めたマツダ・CX-60。
クルマ好きからは羨望の眼差しで見られていますよね。
またデザインの面でも、古典的なロングノーズ・ショートデッキのスタイリングながら、今の時代ならではスマートさも感じさせます。
更にはハイブリットなので、ユーザーとしても世間に申しわけが立つというところがミソではないでしょうか、
シルバーのマツダ・CX-60を見かけました。
いかにも天邪鬼なマツダらしいクルマですよね。
世の中の流れに逆らって、エンジン縦置きのFRをベースにした全輪駆動システムを採用したり、直列6気筒ディーゼルエンジンを新たに開発したりと、決して他社ではやらないことに挑戦しています。
また面白いのは、このシステムをハイブリット化することで、単なるアナクロではないということを訴えている点でしょう。
ソリッド風のメタリック塗色という意味では、近年すっかり主流となったパールホワイトも、この流れの中にあると言えます。
当初は、数年経つとメタリックが変色して黄ばんでくるようなこともあったようですが、最近そんな話も聞きませんよね。
私も長年避けて来たこのパールホワイトのクルマを購入してから早7年目を迎えますが、青空駐車の中、黄ばんでくる気配は全くありませんね。
最近のクルマのイエロー塗色は褪色しにくくなったと言いますが、その要因の一つが、メタリックやマイカなどを配合する様になったことでしょう。
これにより、当たった日光が拡散されるため、ソリッドの黄色とは比べ物にならない褪色しにくさを実現したものと思われます。
またキモになるのが、メタリック系でありながら、あまりキラキラしたイメージではなく、ぱっと見ソリッドカラーに見えるということではないでしょうか。
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